【昭和五十年代】

生まれ変わった日本が三十代を迎えた頃。

キャンディーズが舞い
ピンク・レディーが踊り
山口百恵が歌い
松田聖子が微笑んでいた。

全員集合で笑い
ベストテンに見入り
ひょうきん族を楽しみにしていた。

スーパーカーに憧れ
ラジオに聴き入り
レコードが宝物だった。

そこにはたしかに、夢と憧れの世界があった。

一生懸命だった。
熱中していた。
大人も。
子供も。
夢と憧れの世界のために・・・。

世の中は、まだ不便だった。
だから、「創意工夫」した。
世の中には、まだ自尊心と自制心があった。
だから、「秩序」が存在した。

・・・やがて、時代は昭和から平成に変わり
いろんなものが変わってしまった。
大人も。
子供も。
テレビも雑誌も。
そして、歌も。

「昭和五十年代・・・」

まだ微かに熱が残っている、そんな宝物のような時代を大切にしていきたいと思う。